この記事では、数ある謎解き本の中から「オススメの一冊」をピックアップして紹介していきます。
今回紹介する本は、町田あやさんの『パズルの中のSOS』です。
■『パズルの中のSOS』とは
新聞のパズル欄に隠されていたのは、囚われのパズル作家からのSOSメッセージだった。
孤独な青年はパズル作家を救い出すために、ある賭けに出る。
運命のいたずらが導く物語の結末は――。漫画でストーリーを楽しみながらパズルを解く新趣向の謎解きブック。
複雑に絡み合う幾多の謎を読み解き、あなたは物語の真相に辿り着けるか!?――衝撃の展開を目撃せよ!
公式サイト
①基本情報
価格 | 1,600円+税 |
発売日 | 2016年3月25日 |
著者 | 町田あや |
出版社 | 立東舎 |
最近、本屋の謎解きコーナーでは「SCRAP出版」や「東大ナゾトレ」が幅を利かせていますが、今回紹介する『パズルの中のSOS』もそれらに勝るとも劣らない謎解き本の一冊です。
なお、出版元である「立東舎」は、SCRAPが「SCRAP出版」を立ち上げる前に出していた本の出版社でもあります(『ふたご島からの脱出』等)
■『パズルの中のSOS』の感想
難易度 | ★★★★★★★☆☆☆(7) |
ストーリー | ★★★★★★★★★★(10) |
ボリューム | ★★★★★★★★☆☆(8) |
オススメ度 | ★★★★★★★★☆☆(8) |
①読み手を巻き込むストーリーが面白い
まずはじめに、この本は「ストーリー」がとても面白いです。
全体が「第一部」「第二部」の二部構成になっており、「第一部」では一人の青年を主人公として話が進んでいきます。「第一部」はほとんどマンガで描かれているのでさくさく読めますし、謎解きもそこまで難しくありません。
しかし「第一部」の終盤から、読み手を巻き込んでくる仕掛けが施されていて、その部分がとても斬新で面白かったです。突然巻き込まれた読者は思わず「ハッ!」とすることでしょう。
物語の途中で急に現実を巻き込んでくるストーリー展開は「他の謎解き本ではなかなか味わえない感覚」でした。
②「第一部」やや易、「第二部」ちょい難
次に、この本の「謎解き」の部分ですが、難易度的には「第一部」がやや易しく、「第二部」が少し難しいという感じでした。
ただ「第一部」にあるクロスワードパズルは(いろんな意味で)圧巻の出来です。このクロスワードパズルがこの本の評価を上げているといっても過言ではないでしょう。
また「第二部」も、袋とじが5つも付いていたり、紙やネットを使った謎解きもあったり、かなり盛りだくさんな仕掛けがありました。
③エンディングが非常にエモい
この本で最も伝えたい感想が「エンディングが非常にエモい」ということです。
ネタバレになるので具体的な内容は避けますが、先日読んだ「5分間リアル脱出ゲーム サンリオキャラクターズパーティー」のような「みんなハッピー♪」な展開とは異なります。
非常に「エモいエンディング」をあなたも味わってみてください。
④ネットを使う仕掛けは要注意
最後に感想ではありませんが、一部注意点があります。
この本には一部ネットを使う問題があり、現在、本に印字されているURLが使用できなくなっています。
これに関しては公式サイトにもしっかりと対処法が明記されているので、これから挑戦する方はお気をつけください。
この記事の執筆時点(2021年7月)では、上記対処法で問題なくアクセスできました。
また、公式サイト内の「クロスワードパズル」の印刷用リンクも切れているので、可能であれば、自分でコピーを取ってから書き込むことをオススメします。
■まとめ
というわけで、今回は町田あやさんの『パズルの中のSOS』を紹介しました。
ここまで「謎解き」と「ストーリー」と「読み手」がうまくミックスされた謎解き本はなかなか無いと思います。
2016年に発売された本なので、書店には置いてないかもしれませんが、ネットではまだ購入できるようなので、ぜひ気になった方は挑戦してみてください!
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!それでは!