『ある沈黙からの脱出』とは
「ある沈黙からの脱出」とは、会話や言語を使わずに仲間と意思の疎通を図りながら、協力して謎や暗号を解き明かす体験型ゲーム・イベントです。
会話NG、言語不要!?音が消えた世界で謎を解き明かし、脱出を目指せ。
公式サイト
6/1に東京ミステリーサーカスから始まった新作リアル脱出ゲーム『ある沈黙からの脱出』を、早速プレイしてきました。
コロナ禍が続いた中で「マスク着用必須」「喋らない謎解き」という、まさに今の状況を逆手にとったこのゲーム。
今回はこのリアル脱出ゲーム『ある沈黙からの脱出』の「プレイ感想」と「注意したい点」をお伝えしていきます。
ゲームシステム
まずはゲームシステムについて。
形式はホール型。1チーム最大4人で、グループチケットのみの販売です。
そのため、会場で知らない人とチームを組むということは一切ありません。「グループチケットのみ」というのは、他団体でも取られている感染症対策の一つですね。
ただし、本ゲームは「最低人数が3人」に設定されています。つまり「1、2人」ではグループチケットでもプレイできません。→後日、2人でも参加できるようになりました。
また「コンティニュー制度」が導入されており、一人500円で10分延長できます。
そして1番の特徴は「マスク着用必須」。これも感染症対策の一つでありつつ、口の動きが見えないという制約として、ゲームにうまく組み込まれていますね。
私は「3人」でプレイしてきましたが、結果は「コンティニュー1回」で脱出成功しました。
体験レポート
ゲームシステムの確認をしたところで、ここからは実際に私がプレイして感じたことを書き並べていきます。
①とにかく静か
まずは触れ込みどおり「まったく音のない世界」でした。
自宅で一人で謎解きしてるレベルです。
リアル脱出ゲーム好きにはおなじみの「コトコト」も、成功チーム発表で流れる「限りある世界で」も一切ありません。とにかく静か。
しかし、静かなのに謎解きは盛り上がります・・・この矛盾は実際に体験してみないと分かりません。
②ジェスチャーが大変
今回のゲームは「会話禁止」「筆談禁止」です。筆記用具もありませんでした。
とにかく「ジェスチャー勝負」です。
自分の情報をジェスチャーのみで伝えますが、最初はとにかく伝わらないです。
ただ何度か試しているうちに、意外と伝わります。
音のない世界で「情報を伝える力」「読み取る力」がかなり必要とされました。
③スタッフさえ喋らない
会場内にいるスタッフは一言も喋りません。
もし困ったことがあった時は手を挙げれば来てくれますが「どうされましたか?」的なメッセージボードが用意されていました。
ボード上には、想定質問(端末の調子が悪い、謎が解けない等)の選択肢があるので、それを指さして伝えていきます(緊急時には話してOKとも書いてありました)。
④ストーリーは皆無
このゲームは「会話不要」というシステムの奇抜さに全振りしているゲームです。
公式サイトでは「音のある世界を取り戻そう」となっていますが、正直、ストーリーは皆無です。
ストーリーだけ見ると「音のある世界を取り戻すために謎を解く」とも受け取れますが、実際は「音のない世界で謎を解く」だけですので、ストーリーには期待しないほうが良いです。
⑤謎解きの可能性を感じる
総じて「新体験を味わえるゲーム」でした。
会話や筆談ができない中でも、ここまで謎解きを楽しめる!という可能性を感じました。
言語が通じない外国人に必死でボディランゲージをすれば何とか伝わる、終始、あの感覚に似ていたかもしれません。
ゲーム終了後は、通常のゲームと同等かそれ以上に、ぐったり疲れるほどでした。
注意したい点
ここまでの感想を踏まえて、次はこれから参加する予定の人、参加を迷っている人向けに、このゲームの注意点をお伝えしていきます。
①いつもよりHPの注意事項が多い
一番大事な注意事項ですが、このゲームは「未就学児は参加不可」です。
いつもなら未就学児はチケット不要で入れますが、60分間「無音」で謎を解くという特性もあるため、そもそも未就学児は「入場不可」です。
家族でいつも参加されている方は要注意です。
その他にも、推奨年齢、障害を持った方への注意事項など、いつもより注意事項が多めに書かれています。
事前に公式サイトを読んでおくことをオススメします。
②私物の使用はNG
たまに、自前のペンやクリップボード、付箋などを持ち込む人がいますが、今回、私物の使用は一切NGです。
使えるのは自分の身ひとつだけです。
③3人よりは4人
本ゲームは「3人または4人」でしか遊べませんが、4人の情報共有が楽しいゲームなので、できるなら4人で遊ぶことをオススメします。
ゲーム中は自分だけが持つ情報を共有しあうのですが、3人の場合は誰か一人が2人分を兼務する形になります。
この兼務は、ゲームを進める上では情報共有の手間が一つ減るので有利に働きます。なので「ただただ成功したいなら3人でプレイする」のもアリです(チケット代は割高になりますが)。
(追記)2人でも遊べる「2人用」が新たに用意されました。ゲームの大筋は同じですが、一部の謎が2人用に変更されています。
④知り合いと組んだほうが良い
いつもソロで参加している人は、SNSなどでチームメンバーを募集することになると思いますが、できるなら「知り合い」と組むことをオススメします。
ジェスチャーや表情を汲み取るのに、急造チームはかなり不利になります。
できるなら「謎解きが得意な他人」より「謎解き初心者でも身内」を選んだほうが良いです。
「ヒントカード」もしっかり用意されています。
また、謎解き自体はそこまで難しくないので「初心者」でも十分楽しむことはできるかと思います。
⑤それでも急造チームを組む場合は
それでも急造チームを作る場合は、参加前に一定の「合意形成」をしておいたほうが良いです。
特に「コンティニューは何回まで」と「ヒントを使うタイミング」については、あらかじめ決めたほうが良いでしょう。
もしゲーム中にメンバーがヒントを使わせてくれないとか、コンティニューは絶対しない!ってなったら大変ですからね・・・
この2つは最低でも決めておきましょう。
⑥色の識別が苦手な人は要注意
今回「微妙な色の識別が必要」になる場面があります。
そのため、身体的に色の識別に難がある人にとっては謎が解きにくいところがあります。
もし識別が難しいと感じたら、すぐにスタッフを呼ぶことをオススメします。きちんとスタッフがサポートをしてくれます。
あるいは、公式での案内はありませんが、あらかじめ受付で色覚に難があることを伝えておくと、会場のスタッフが気を配ってくれるかもしれません。
まとめ
今回はリアル脱出ゲーム『ある沈黙からの脱出』について、「プレイ感想」と「注意したい点」をお伝えしてきました。
いまだ不要な外出、密な状況は躊躇われるご時世ですが、この状況の中だからこそ作られた、今だからこそできる「新体験」のリアル脱出ゲーム。
それが『ある沈黙からの脱出』でした。
ゲームシステムとしては、非常に面白いものが生まれたなという感じです。
今回お伝えした「注意したい点」さえ踏まえていただければ、どんな人でも楽しめるゲームですので、ぜひ多くの人に楽しんでいただきたいです。