【謎解きの作り方】暗号編

こんにちは。謎解きブロガーのハルです。

この記事では「謎解きは誰でも作れる」をコンセプトに「謎解きの作り方」を紹介しています。

今回取り上げるテーマは「暗号」です。

こんな人にオススメ
  • 自分で謎解きを作ってみたい人
  • 謎解きの作り方を知りたい人
  • 「暗号」の仕組みを知りたい人

練習パートも用意しているので、一緒に謎解きを作っていきましょう!

目次

1.「暗号」とは何か?

まずは「暗号とは何か?」について。

「暗号」とは、簡単に言うと「第三者に読まれないようにメッセージを変換する手法」のことを指します。

もっと簡単に言うと「2人だけのメッセージを秘密にやりとりしたい」ときに使うものですね。

ネット上でやりとりするメッセージも、複雑な「暗号化技術」を使うことで、他の人に読まれずに相手に送ることができています。

謎解きにおける「暗号」とは、パッと見は読めなくても、手がかりを元に解読し正解を導き出せるような問題のことを言います。

「暗号」の定義について分かったところで、ここからは具体的に「暗号」を使った謎解きの作り方を見ていきましょう。

2.「暗号」を使った謎解きの作り方

まず手はじめに、例題を1問出します。いったん手を止めて考えてみてください。

正解はこちら

①暗号には大きく2種類ある

例題を解いてもらったところで、まずは「暗号の種類」について、知っておきましょう。

世の中にある「暗号」をざっくり分けると、大きく2種類に分かれます。

それが「換字式暗号」「転置式暗号」です。

それぞれについて、具体的に説明していきます。

(1)換字式暗号

「換字式暗号」とは「元の文字」を一定のルールで「別の文字」に置き換える暗号のことを言います。

有名な換字式暗号として「シーザー暗号」「踊る人形」「上杉暗号」などがあります。

冒頭の例題は「アルファベットを3文字戻す」と解けましたが、これはまさに「シーザー暗号」のルールをそのまま使っていたものでした。

また、「踊る人形」については「アルファベット」と「人形」が対応するという面白い構造になっています。

対応表が無く、かなり難しい暗号ですが、小説の中では「英文にはEが多いこと」や文脈・状況から、ホームズはこの暗号を見事に解読しています。

ちなみに、この「踊る人形」を使ったフリーフォントもあります。「ホームズごっこをしたい!」という人は試しに使ってみてはいかがでしょうか?(無保証のフォントなので、インストールは自己責任でお願いします)

▼GL-DancingMen (シャーロックホームズの「踊る人形」)
https://www.fontmatome.com/dancingmen

最後の「上杉暗号」は、日本の戦国時代に活躍した武将・上杉謙信の元で生まれた暗号で、対応表の中から、縦横(行列)の数字を元に文字を拾っていきます。

これらのように「換字式暗号」では、置き換えの方法に違いはあれど、「元の文字」を一定のルールで「別の文字」に置き換えることで、メッセージを暗号化しています。

(2)転置式暗号

次に、もう一つの「転置式暗号」とは「元の文字」の並びを一定のルールで並び替える暗号のことです。

有名な転置式暗号として「スキュタレー暗号」「アナグラム」「縦読み」などがあります。

「スキュタレー暗号」の「スキュタレー」にはギリシャ語でバトンの意味があり、棒に紙を巻きつけた状態でメッセージを書き、同じ太さの棒に巻いたときだけメッセージが読める、という仕組みです。

「アナグラム(anagram)」は「転置式」の名のとおり、言葉を入れ替えて別の言葉にするもの。

「縦読み」はヨコ書きした文章をタテに読んだら言葉になる仕組みを指します。

このように「転置式暗号」では、文字自体は変えず「元の文字」の並びを一定のルールで並び替えることで、メッセージを暗号化しています。

あらためてまとめると、暗号には大きく「換字式暗号」と「転置式暗号」の2種類があり、いずれの暗号も「一定のルール」に基づいて「元の文字」を変換していることが分かりました。

「暗号」について理解を進めたところで、次は「暗号」で謎解きを作るときの注意点について述べていきます。

②謎解きを作るときの注意点

「暗号」で謎解きを作るときの注意点は次の3点です。

一つずつ説明していきます。

(1)手がかりを示す

前述したとおり「換字式暗号」も「転置式暗号」も、暗号化するには必ず「一定のルール」があります。

謎解きを作成するときは、この「一定のルール」を考えるために必要な「手がかりを示す」ことが重要です。

冒頭の例題でいえば「QDCR→NAZO」にあたる部分です。

この「手がかり」の出し具合によって、難易度も変わってきます。

もし簡単にしたければ「手がかり」を複数用意すればよいですし、難しくしたければ「手がかり」も少なくしていきましょう。

ただし、どんな難易度でも「手がかりがゼロ」にはならないようには気をつけるべきです。

「手がかりがゼロ」では、たとえシャーロック・ホームズでもその暗号は解くことができません。「暗号」で謎解きを作るときは、必ず「手がかりを示すこと」を忘れないようにしましょう。

(2)ルールは分かりやすく

2つめの注意点は「ルールは分かりやすく」することです。

本当に秘密のメッセージを送りたいなら、ルールは複雑にする必要がありますが、謎解きは解いてもらわなければなりません。

そのため、できるだけ「ルールは分かりやすく」していきましょう。

謎解きの難易度を調整するためには、ときに「ルールは分かりにくく」するという考えもあるでしょう。

しかし、もし難易度を上げたいのならば「分かりやすいルールを”複数”組み合わせる」ほうをおすすめします。

そして、その場合も一つ一つのルールにしっかり「手がかり」を示すことは忘れないようにしていきましょう。

どの謎解きにも言えることですが、謎制作者は「解きにくい謎解き」より「解けて楽しい謎解き」を作ることを意識していきたいです。

(3)文字の循環を示す

最後の注意点は「文字の循環を示す」ことです。

これまでの「手がかりを示す」「ルールを分かりやすく」にも関わりますが、「文字の循環」とは「ん」から「あ」へつながるか、「Z」から「A」へつながるか、ということです。

冒頭の例題では、手がかりの中に「C→Z」があったことで、アルファベットが「Z」から「A」へとつながっていることを示していたので、問題部分も「B→Y」とつなげることができました。

謎解き経験者であれば、自然に「ん」から「あ」へ、「Z」から「A」へと考えるかもしれませんが、それはあくまで相手依存の考え方です。

謎制作者であれば、すべての人が解けるように、文字の循環が発生する場合はしっかり明記しておきたいところです。

3.謎解きを作ってみよう

それではここで「暗号」を使った謎解きを作る練習をしてみましょう。

解答例はこちら

ここで考えた解答を「手がかり」に示して、問題には「足→?」と書けば、もうそれだけで謎解きになります。

では、もう1問練習です。

解答例はこちら

文字を並べ替えるだけの「アナグラム」もシンプルですが、上の解答と問題を逆にすれば「並べて変えて”偉人の名前”を作ってください」という謎解きを作ることもできます。

このように「換字式暗号」でも「転置式暗号」でも、仕組みをいくつか覚えていれば、さまざまな謎解きを作るアイデアとなります。

4.まとめ

今回は「暗号」を使った「謎解きの作り方」を紹介しました。

あらためてまとめると、次のようになります。

「暗号」を使った謎解きは、制作者次第でさまざまな表現ができる分野です。

今回紹介した「暗号の種類」や「注意点」をぜひ今後の謎解き作りに活用してみてください。

最後に、過去に当サイトで出題した謎解きの中から「暗号」っぽい謎解きをいくつか掲載しますので、もしよければ解いてみてください。

今回の記事は以上です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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