実際の部屋に閉じ込められる「ルーム型」の脱出ゲームにおいて、最重要課題の一つが「探索」です。
探索は、ルーム型ならではの「醍醐味」ですが、その探索でこんなことを叫んでいる人も少なくないのではないでしょうか?
「あと一つ、アイテムが見つからない!」
「そこは一度見たハズなのに…なんで見つからなかったの?」
「六角レンチを探せ〜!」
この記事では、探索が苦手な人向けに、7年以上脱出ゲームの運営スタッフを務めた経験から得られた「探索が上手くなる3つのコツ」をお伝えします。
探索が上手くなる3つのコツ
結論からお伝えすると、探索が上手くなる3つのコツはこちらです。
①手も使う
②自分が隠す立場で考えてみる
③二度手間を減らす
これらがきちんと身についているほど、漏れなく探索でき、アイテムの発見率もぐんと上がるはずです。
それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。
①手も使う
一つ目のコツは「手も使う」ことです。
あまりにもシンプルですが、これが出来ていない人がとてつもなく多いです。

人は「80〜90%の情報を視覚から得ている」と言われています。逆に「触覚は1〜3%」と言われており、それだけ人は「目からの情報に頼っている」ということになります。
しかし、人の脳はそんなに多くの視覚情報をすべて認識することができません。情報が多い分、都合よく取捨選択して効率よくモノを見ようとしています。
つまり「目で見ただけの探索は、かなりの見落としが発生する」ということです。そこで「手も使う」ことが重要になってきます。目では気づかない小さな違和感も、手で触れば気がつくことがあります。
この「手も使う」という探索方法は、私がプレイヤーとして参加したときにも、一番探索効率が上がったコツです。
次回、ルーム型に参加するときは「目で見つつ、同時に手でも触れること」を意識してみてください。これまでよりずっと探索漏れが少なくなることを保証します。
②自分が隠す立場で考えてみること
二つ目のコツは「自分が隠す立場で考えてみること」です。これは他の運営スタッフも同じことを言っていました。
ルーム型の大半は「現場の運営スタッフ」によって、隠し場所が考えられています。
そして、とても大事な話ですが、実は探索の半分以上は「あえて見つかりやすい場所」に隠しています。なので、ゲーム開始時は次々とヒントが見つかりますが、徐々に探索のスピードは落ちていきます。
ルーム型では「ほどほどに見つかる」けど「大事なものは見つけにくい」という絶妙なバランスを考えて隠されています。みなさんはこの「大事なもの」を見つけるのに苦労しているわけです。
それはスタッフが、あの手この手で、死角になる部分、自然な行動では見つけにくい部分に大事なものが隠すわけですから、見つけにくいのは当たり前です。
そこで有効なのが、その考えに着目して「もし自分がこの部屋に隠すならどこに隠すだろう?」と考えてみることです。

隠す側の気持ちになると「ここにあったら見えないな」とか「ここ微妙に段差があって隠すのに良さそう」といったことが冷静に見えてきます。
この方法と前述した「手も使う」探索を組み合わせると、さらに発見率が高まります。
③二度手間を減らすこと
最後のコツは「二度手間を減らすこと」です。
探索のコツというよりは「どれだけ探索に時間をかけないか」に注目したコツです。
探索に時間をかけすぎて、時間内に謎が解ききれないことは多々あります。では、なぜ探索に時間を取られてしまうのでしょうか?
その大きな要因の一つが「二度手間」です。
同じ場所を何度も何度も探索したり、使用済のアイテムに気をとられたり・・・そんなことをしていないでしょうか。そんな二度手間を回避する方法はとてもシンプルです。
それは脱出ゲームのキホンのキである「情報共有」をすることです。そして、その情報共有を上手く回すために必要なことが「声かけ」「メモの活用」「アイテム置き場を決める」の3つです。

- 何か見つけたら全員に共有する
- 共有のメモを一つ用意する
- 見つけたアイテムは一箇所にまとめる
これらができれば、二度手間による時間浪費はだいぶ抑えられるでしょう。
まとめ
というわけで、今回は「探索が上手くなる3つのコツ」をお伝えしました。
あらためてまとめると次のとおりです。
①手も使う
→目だけの探索は見落としが多くなりがち
②自分が隠す立場で考えてみる
→隠す側の気持ちになると見えてくるものがある
③二度手間を減らす
→声かけ、メモ、アイテム置き場の確保が大事
「探索」は紙の上だけでは体験できない醍醐味の一つです。ただ、この「探索」が上手くできなくて謎解きが十分に楽しめなかった!となっては面白くありません。
ぜひ今回紹介した「探索のコツ」を意識して、これまで以上に探索や謎解きを楽しんでいただけたらと思います。
今回の記事は以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!